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2016年12月の記事

この年月

日々の暮らしに「これは気になる」と感じたとき、その写真を撮れそうなら撮ります。写真に対する熱量を一定に保つためのルールなのかもしれません。

「写真とは」と考える機会は、以前よりも少なくなってきました。今までより少し離れた場所に立ち、遠くから自分の誰かの撮るものを眺めています。撮るときは深く考えず、目の前のありのままの姿に一度、二度シャッターを切ります。

眺めているだけで満足し、撮影しないこともあります。撮らなくても平気になりました。撮れなくても「仕方ない」と思うだけです。「撮る」よりも「見る」を、記憶に留めておくことを大事にしています。

写真を嫌いになったわけではないけれど、「なぜこんなに熱心だったのかな」と過去を振り返るときがあります。と同時に、「なぜ今は前と違った見方をしようとしてるのかな」と不思議にも思います。

「息切れ」でもありません。なんと呼べば良いのか。「迷うことが少なくなってきた」と言うのが正確かもしれません。

四十歳になる一歩手前、私にとって三年前はラストチャンスの年でした。年齢制限のあるコンペに応募できる最後の年、初めて挑みました。それをきっかけに三年間、作品を応募しても選ばれないことが多い状況にありながら、その状況から教わることも沢山ありました。

教わった一つ一つを書き出したらきりが無いけれど、些細なことでも「なぜ駄目なのか」と自分に問いかけることを大切にしていたように思います。その積み重ねがあって、自然と迷いが解消されていったのかもしれません。

写真への思い入れ、捉え方、接し方が変化しても、写真を撮り続けています。撮る枚数は格段に減りましたが、それでも興味は持ち続けています。写真を好きであることに変わりはないけれど、どのように「好き」でいようか…なんて考えることもあります。新しい接し方を模索しているのかもしれません。

それでも、以前から変わらない気持ちもあります。最後にそれをここに記し、結びの言葉にします。



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写真の一枚一枚それぞれが「わたし」であり、もしかしたら、この作品に関しては、もうそれ以上特別に言うことは無いのかもしれません。私にとって「撮ってて良かった」は「生きてて良かった」と同意です。ささやかな場面の連続にこのような表現は大袈裟ですが、カメラを構えるたびに、そんな風に考えるようになりました。

今もなお「撮り続けたい」という気持ちを大切にします。それは即ち、自身を大切にすることに繋がっていくものだと信じています。

(「いつかかわっていく景色」ステイトメントより抜粋)


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本をひらく

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何となく行き詰まったような気持ちの時、
つい手に取ってしまう写真集と本があります。

カール・ブロスフェルトの写真集と、
星野道夫さんの本『旅をする木』です。

カール・ブロスフェルトの写真は、植物というよりは、
彫刻や装飾、緻密な構造物のような姿が写し出されていて、
私の知る植物の姿とは全く違う世界が広がっています。
何度見ても、新鮮な発見と驚きがあり、
「好き」というよりは、どうしても「気になって」しまって、
何度も開いてしまう写真集です。

もう一冊が、星野道夫さんのエッセイ集『旅をする木』。
もし自分の手元に一冊の本しか残せないとしたら、
私はこの本を選びます。それ位に好きな本です。

どの文章も魅力的なのですが、特に好きな一節があります。

ーーー

突然、一頭のクジラが目の前の海面から飛び上がったのだ。
巨体は空へ飛び立つように宙へ舞い上がり、一瞬止まったかと思うと、
そのままゆっくり落下しながら海を爆発させていった。
(中略)
ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、
もう一つの時間が、確実に、ゆったりと流れている。
日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、
それは、天と地の差ほど大きい。


ーーー


はじめてこれを読んだとき、それってすごいことだなと思ったのです。
私がここでこうしている、同じその時に、この世界のどこかでは、
ザトウクジラが水しぶきを上げながらジャンプしているかもしれない。
世界が急に広がっていく感じがしました。

植物の細部に秘められた世界と、
遥かアラスカの自然。

それぞれ視点は異なりますが、どちらも、
自分の小さな世界にいっぱいいっぱいになっている自分に、
もっと大きな世界があることを教えてくれます。

世界は広い。
私は、その悩みや考えも含めて、
ただこの自分自身という大きさでしかないのだということを、
時々思い出しておきたいと思っています。

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ただいま準備中



私は、2014年に七宝焼作家の方とコラボレーションした作品展のご縁で
煎茶道を習っています。
写真表現をやるにあたって、写真以外のものを何かやりたいと思っていた
頃だったので、とてもいいご縁が頂けたと、感謝の気持ちでいっぱいです。

煎茶道や○○道というものを始め芸術は、最後まで答えがなく、そこを探求して
いくものだと思いますが、今のところ垣間見たという状況です。
そんなことですから、お点前は覚えるのが精一杯で、ここから自分の表現を
加える、というのがこれからの課題となっております。
煎茶道は、文人墨客の間でサロン的に発展してきたことから表現が自由なんだ
そうです。
しかしながら、お点前なので「型」というものはあります。
決められた中で、自由に表現するというのが一番難しいです・・・。
(何でもよいも難しいですが。)
自由って計れないし、私が考えることと相手は違うし、などと堂々巡りです。

写真表現との関連は何か見つかったのか?
それはまだわかりませんが、以前より考えるようになったかもしれません。

そんな中、ご縁あって来年2月に個展をさせて頂くことになり、
いらした方に写真+αで楽しんで頂けたらと思い、お茶会をすることにしました。
もちろん、初めてのお茶会です。
先輩方のお力を借りますので、身が引き締まる思いです。

第一目標は、端的に言ってしまえば、お茶を美味しく召し上がって頂く。
そのために、どんなおもてなしをするのか。お点前にどんな思いを込めるか。
ということでしょうか。
お客様が帰られる時に温かな気持ちになる、そんな雰囲気にしたいと
思います。

巷ではクリスマスムードの中、ぼちぼち準備を始めております。
詳細が決まりましたら、順次ご案内させて頂きます。

12月の展示のお知らせ

【八木香保里】

八木香保里 写真展 #023 「雨と歌う」
[会期]2016年12月9日(金)-12月21日(水)(木曜休)
[時間]9:30-20:00(平日)10:00-20:00(土日祝)
[会場]フォトカノン戸越銀座店ギャラリー
    東京都品川区戸越2-1-3 
    http://www.photokanon.com/
[詳細]Yagi Kahori Photography http://yagikahori.wixsite.com/photography


【早苗久美子 伊藤有子】
「展示バカ 2016」
[会期]2016年12月6日(火)-12月18日(日)(月曜休)
[時間]12:30-19:00 最終日は16時まで
[会場]NADAR TOKYO
    東京都港区南青山3-8-5 M385Bldg #12
[詳細]http://nadar.jp/tokyo/schedule/161206.html

12月。

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仕事ばっかりしていたら、あっという間に12月。
写真を始めてから初めて一回も展示をしないまま、今年が終わろうとしています。
写真もほとんど撮ってません。
撮った写真も未現像のまま。
なんてこったい。
とりあえず、年が変わる前には未現像のフィルムぐらいは現像に出しておきたいなぁと思いつつ
まだまだ終わらぬ仕事と格闘する日がしばらく続きそうです。