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本をひらく

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何となく行き詰まったような気持ちの時、
つい手に取ってしまう写真集と本があります。

カール・ブロスフェルトの写真集と、
星野道夫さんの本『旅をする木』です。

カール・ブロスフェルトの写真は、植物というよりは、
彫刻や装飾、緻密な構造物のような姿が写し出されていて、
私の知る植物の姿とは全く違う世界が広がっています。
何度見ても、新鮮な発見と驚きがあり、
「好き」というよりは、どうしても「気になって」しまって、
何度も開いてしまう写真集です。

もう一冊が、星野道夫さんのエッセイ集『旅をする木』。
もし自分の手元に一冊の本しか残せないとしたら、
私はこの本を選びます。それ位に好きな本です。

どの文章も魅力的なのですが、特に好きな一節があります。

ーーー

突然、一頭のクジラが目の前の海面から飛び上がったのだ。
巨体は空へ飛び立つように宙へ舞い上がり、一瞬止まったかと思うと、
そのままゆっくり落下しながら海を爆発させていった。
(中略)
ぼくたちが毎日を生きている同じ瞬間、
もう一つの時間が、確実に、ゆったりと流れている。
日々の暮らしの中で、心の片隅にそのことを意識できるかどうか、
それは、天と地の差ほど大きい。


ーーー


はじめてこれを読んだとき、それってすごいことだなと思ったのです。
私がここでこうしている、同じその時に、この世界のどこかでは、
ザトウクジラが水しぶきを上げながらジャンプしているかもしれない。
世界が急に広がっていく感じがしました。

植物の細部に秘められた世界と、
遥かアラスカの自然。

それぞれ視点は異なりますが、どちらも、
自分の小さな世界にいっぱいいっぱいになっている自分に、
もっと大きな世界があることを教えてくれます。

世界は広い。
私は、その悩みや考えも含めて、
ただこの自分自身という大きさでしかないのだということを、
時々思い出しておきたいと思っています。

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